1日で世界は変わる:名も無き世界の終わりのエンドロール
タイトルにつられて読んでみた一冊。すばる新人賞を取ったようだ。
親がいない子どもたちの物語が描かれている。呼んだ後にほろ苦い幸福感が味わえる小説だった。悲しい話なんだが、爽快感がある文章で描かれている。
また小学校時代・高校時代・社会人時代・現在という時をいききしながら、話がすすむ。すすむにつれこの物語の切なさ・必死さが伝わってくるような小説だった。
明日はこないかもしれない
文中で死が一歩づつ近づいてくるというけれども、本当にそうなのか。突然明日に世界がなくなることもあるのではないかという内容の文章があった。
1日あれば世界が変わるのには十分
日々生きていると見失いがちだが、明日にはなにもかもなくなる可能性があるんだ。誰も自分のことを覚えていないような日がくるかもしれない。そう思うとさみしいが生きやすい。
以下引用
生きていくために必要なのは、勇気と想像力と少しのお金
エンドロールがおわれば、自分のものがたりを生きなきゃ
映画が終わりると悲しくなる、でもエンドロールが終わると生きなきゃって思う
生きる理由は、必要条件でなくて十分条件
1日あれば世界は変わる2日だったら宇宙がなくなってもおかしくない
嘘は時に便利だが真実に比べると脆弱だ
これは非常に響く言葉だった。嘘は便利だけど、脆い。自分は良くその場しのぎのためにしょうもない嘘を積み重ねていってしまう。その場対応はできるだけど、嘘をつけばつくほど自分の存在が脆く・儚くなってしまう。
☆4