コンテンポラリーマウス

未だ知らないものを探している途中

27歳のGoogleに認められた監督が描く新感覚映画: Search

久しぶりに書きたくなるような良い作品だった。

あまり期待せずかつ前情報など何も見ずにいったので、そのことで期待値が低いっていうこともあったかもしれないけれども。。

内容としては、下記Youtubeを見ていただければ。簡単に娘が行方不明になり、いろんなインターネット上の情報をもとに探していくというミステリーものだ。


search/サーチ - 映画本編映像

 

ここから先はネタバレを含むので、もしまだ見てないかたは見ないほうがよいかも

 

スクリーンの中に人生は詰まっている

まずこの映画がよかったのは一切現実の映像を現実のまま流していないところだ。現実の映像っぽいところは最初はズームインからはじまるが、必ずYoutubeであったりライブ映像であったりする。

この映画は終始スクリーンの中の話なのだ。ただスクリーンから出ないのだが、人々の感情がよくわかる。スクリーン上でも感情を表現することができることを表した映画だったと思う、

 

それと同時にいまの世の中スクリーンと向き合う時間のほうが、スクリーンに向き合わない時間より長くなっているのではないだろうか。その結果自分の人生のほとんどは実はスクリーン上で起きていることになっているという事実にきづかせてくれる。

Googleでの検索から、FBでのメッセンジャーでの会話、Facetimeによる電話。Youtube。本当にいろいろいなモノに時間を割いている。そのすべてはスクリーン上で行われているものだった。

 

監督は27歳のニューカマー

 監督は1991年生まれの27歳。下記YoutubeGoogle glassを使った映像作品がYoutube上で認められ、GoogleでCMの作成をしていたという経験がある。

このインターネットが物心ついたときから当たり前にあった世代ということと、Googleで働いていたという経験がこの映画を生んだと思う。

最初のインターネットの歴史が完全に自分の経験してきたインターネットと近い認識で、非常に共感を覚えた。

 

この世代にとってはスクリーンで過ごすことが自分の生活になっていて、スクリーン上で自分のことを表現することに慣れている世代だと思う。この話がすんなりと頭に入ってきた。

 

www.youtube.com

 

情報社会への警笛

映画を見るとわかるように簡単にパスワードはやぶられてしまう(ヤフーのパスワードが名前と生年月日ということが非常にリアル感ある)
また、常にスクリーン上で交流していた父と娘だが実際には娘の友だちの名前さえ知らないくらいの情報量だった。

スクリーンがあることによっていつでもつながりやすくはなったが、決して繋がりが深くなったわけではない。表面上での付き合いが増えて、誰も深くつながれない社会になっていく危険性への警笛をならしているようにも思えた。

 

・参照

https://eiga.com/extra/komai_movie/4/