Don't think just paint かくかくしかじか
昨年かな、メディア芸術賞を取った作品である。
東村アキコの自伝的漫画であるが、これが泣ける。。
これは先生と主人公である東村アキコさんの愛情の物語であるし、そして先生とその美術教室の生徒との絆の物語だ。
先生のコミュニケーションのやり方は正直古臭いし、自分がやられたらまいってしまうかもしれない。でもそれはなにより愛情の裏返しなんだ。
でも自分自身にも反省なんだが、若ければ若いときほどのその愛情にはまったく気づくことができない。むしろ鬱陶しいと思ってしまう。その気持ちは非常にわかってしまう。。
"描け"
これは先生の最後の言葉でもあるが、この物語のテーマが詰まった一言だったと思う。
先生はいつも描けとしか言わない。下手に内省してしまう若者たちにとって、いわれたことをやる、目の前のことをやるというのが苦手になってしまっているのではないだろうか。これをしたらどうなるんだろうか、これをやる意味があるのだろうか。そんな不安がよぎってしまう。
しかし、それは描くことでしかその不安はかき消されない。先生は言う。書きたいものを考えるからだめなんだ。目の前のものを描けと。描いて描いて描いて描いて描くしかない。
よく立ち止まってしまう。何がしたいんだっけ、なにを目指しているんだっけっと。思考する時間は無駄だとは思わないけれども、それでも思考では何も生み出さない。ただまっすぐに描く・行動することへの大切さを思い出させてくれるようなマンガだった。
そして東村アキコさんのずっと夢だった漫画家なのに、時間があるときはまったくかかず就職してそこから抜け出したいとなってやっとそのマンガを書き始めるということに非常にシンパシーを感じるし、励みになる。
アウトプットが全てだ、描け。
☆4