第二次青春:ソラニン
第二次青春を考える上で、ソラニンはぜひ読んで欲しい作品だと思う
なんでもないやつ、何者にもなれない自分への行き場のない憤り
芽衣子は自分が特にやりたいこともなく、やりたいことへのあこがれをもっている。それでも最後にはだらっとした幸せが続けばいいとい諦めきれる人間である。一方種田は自分のやりたいことはある、しかしそれが認められてはいない。そんな中でも生活を続けていかなくてはいけない。芽衣子の気持ちも理解できる(だらっとした幸せへの喜び)が、何者にもなれない自分への葛藤は隠しきれない。その葛藤・苛立ちが種田を殺したのだと思う。
大学までは自分の好きなことを追えていたはずなのに、社会人になって同じような悩みをかかえている人は多いのではないだろうか。
諦めという名で世界に迫っていくのか、またもやこう考えていること自体が厨二病で意味がないのか。
どんどん人間卒業していく中で、自分だけが取り残されている恐怖と人間で居続けるという陳腐な自尊心を持って生きている。
種田は幸せだったのか
ゆるりとして幸せに満足しようとしているのか。でも満足しようとしている自分に対して絶望していたのではないだろうか。
人は自分のためには諦めきれないけれども、人のためにならば理想を諦めることができる。ただそこに納得していない自分もまた、たしかに存在するのではないだろうか。
それが最後の種田の涙なのではないだろうか。
ラストの宮崎あおいが歌うこのライブの必死さには感動を覚える。種田への愛情・怒り・感謝などの感情をひっくりくるめたさよならの歌をうたっているんだと思う。
ソラニン Movie "Solanin" Last Song
人間卒業おめでとうございます。
☆5