コンテンポラリーマウス

未だ知らないものを探している途中

好機はいつも貴方の目の前に:四畳半神話体系

京都の雰囲気が好きだ。なぜだろう。

歩けば歴史にあたる、昔なりの建築に出会うことができる。散歩するだけで楽しくなる。生まれ変わったら京都で大学生をしたいものだ。

そんな京都好きに拍車をかけたのは確実に四畳半神話体系であろう。

 

SFと青春小説の融合

京都の大学生が七転八起しながら、黒髪の乙女との恋を求めるという話なのだが。。

森見登美彦ワールド前回の独特の世界観と言い回しが好きすぎる。

またアニメの監督である"湯浅政明"の表現が更にいい味をだしている。小説も非常に面白いけれども、それ以上に個人的にはアニメをおすすめする。

 

 

好機はいつも貴方の目の前に

主人公はいつも今の自分の人生に不満をいだき、自分の可能性を信じ大学入学時に戻る。いつまでの自分のいまの現状に満足せず、いまの自分にない未来を信じている。

「もっと有意義な生き方があったかも」

その一言を信じてタイムスリップを繰り返してしまっている。

 

これは自分にも言えることなので心に刺さった。若いモラトリアムのときには、自分にどんな可能性があるのかを想像以上に期待してしまっている。今の自分を直視せずに未来の自分にへたな期待をしてしまっている。

 

それに対しての師匠の樋口からの答えが以下のようなものだ

「可能性という言葉を無限定に使ってはいけない」

別の選択をしていたら今より良い生活を送っていたかもしれない。その可能性は無いわけではないが、だからといって、ただの「可能性」という、たいして当てにならないものに目を奪われ望みを託すより、今ここにいる自分以外の何者にもなれない自分を認め、今この自分としてどっしり構えて生きていく必要を解いた。

 

本当にその通りだなと思う。

可能性は確かに無限大にあるかもしれない。ただ日々の行動・決断により可能性は広げつつも・捨ててきているのである。かつ20代半ばの自分にはそこの可能性を捨てきれずに、今の自分に直視できなくなっていた可能性もある。

 

非常に面白いアニメだが、それと同時に大事なことに気づかせてくれる作品であったと思う。

 

まだ見てない方はぜひ。


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