コンテンポラリーマウス

未だ知らないものを探している途中

コモディティな世界での戦い方:僕は君たちに武器を配りたい

親の世代とは生き方が違う。

20代・30代にとってはキャリアの歩み方・生き方から全てが変化している。そのときに必要なのは自分のアタマで考えることだ。こう書くと陳腐に聞こえるが、自分の価値観をしっかりもって生きることだと思う。そのためのヒントを多く教えてくれる本であった。

 

コモディティ化するのが資本主義の定め

商品も人もどんどんコモディティ化する。資本主義経済における特徴は価格が市場によって決まる。つまり変化する、自由に設定できることである。そのため生産者はどんどん商品を安く・品質を高くしていくというのが求められるようになる。その結果商品はコモディティ化していき、それを作業するためのエキスパートもコモディティ化していく。それが最高潮に達する際には技術変化によってプレイヤーが代わりだす。これが資本主義の定めである。

 

生き残る術はスペシャリストになること

著者は本の中で働き方として6つの働き方を紹介している

  1. トレーダー
  2. エキスパート
  3. マーケッター
  4. イノベーター
  5. リーダー
  6. インベスター

この中で、トレーダーはエキスパートは資本主義世界におけるコモディティの波に飲み込まれる可能性が高いことを指摘している。そのため残りの働き方にシフトしていくべきという提言をしている。

自分自身を売る感覚、市場感覚を常に気にしていく必要がある。そうでなければあっという間にコモディティ化の波に飲まれてしまう。それを避けるために著者は自分の頭で考えることを説いている。

 

まあただあくまで理想的なことを語っているだけで、キャリアの幻想を見せている感は否めない。キャリアポルノではないが、全員がそのような望むシフトができはしないだろう。あくまで高学歴の若い読者にむけたメッセージであることが伝わってくる。

ただそのような一部のエリートが社会を支えていることも否めない事実ではあるので、だからこの本は駄目だとかは思わない。英語・ITを奴隷の学問と呈することは、愉快痛快だなあと思う。そうでなく根本的な思想の変化が求められる時代にはなりつつあるでしょう。難しい時代に生まれたもんだ

 

☆3

僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫)

僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫)